奈良のハイキングコースおすすめ5選
奈良のハイキングコースを紹介します。歴史や森・里山の散歩コース、トレッキングコースを日帰りで楽しめるベストルート5選!
天香久山(あまのかぐやま)を中心にしたハイキング3コース
奈良盆地の南端、少し南には吉野の山々が迫るエリアを3コース紹介! 明日香村や天香久山(あまのかぐやま)など、巨石古墳群や万葉集などでおなじみのロマン漂う地域です。蘇我馬子が活躍した大和政権があったエリア、大化の改新、蘇我入鹿謀殺の舞台、藤原氏の祖・中臣鎌足の屋敷跡など、万葉の時代を想像しながら歩く飛鳥路はまた格別です。
榛原から長谷寺へ|8kmのハイキング
近鉄榛原駅→(10分)→桜井警察署 宇陀警察庁舎→(30分)→鳥見山公園→(40分)→初瀬ダム→(20分)→長谷寺
古い宿場町の面影を残した榛原から鳥見山公園を経て長谷寺までのハイキングコースです。榛原駅からは鳥見山を目指して登ります。鳥見山公園までは本格的な登山コースなのでこのコースの中では一番きつい場所です。振り返ると宇陀山や室生、曽爾などの山々が見渡せるロケーション。鳥見山公園からは下りとゆるやかな登りを繰り返しながら初瀬ダムへ向かいます。初瀬ダム湖の周囲を巡って谷沿いを下り、目的地の長谷寺へ。
長谷寺の十一面観音像を見よう!
長谷寺の境内(伽藍)はとても広くて長い屋根付きの石段と廊下が国宝の本堂を中心にして五重塔、本長谷寺、仁王門などをつないでいます。本堂にはご本尊の十一面観音像(重要文化財)が安置されています。この寺は花の御寺として牡丹でも有名で「枕草子」や「源氏物語」「更級日記」などといった数々の古典の名作に登場します。現在も境内には8千株近い牡丹が手入れされていて、4月の末頃から5月の上旬にかけて見頃を迎え毎年多数の花見客でにぎわいます。
日香村石舞台古墳をめぐる飛鳥のハイキングコース
近鉄吉野線飛鳥駅→(10分)→飛鳥歴史公園→(15分)→亀石→(20分)→石舞台古墳→(20分)→飛鳥板蓋宮跡→(10分)→飛鳥寺→(10分)→甘樫丘(蘇我蝦夷と入鹿親子の邸宅跡)→(30分)→近鉄橿原神宮前駅 11km
近鉄吉野線飛鳥駅からゆるやかな飛鳥の丘陵地帯を登ります。少しゆくとこんもりとした飛鳥歴史公園のある丘が見えてきます。この公園内には有名な高松塚古墳やキトラ古墳があります。丘陵地帯のなだらかな坂道を下った奈良県明日香村川原には巨岩に亀の形が彫られている亀石があります。明日香村の謎の多い巨岩遺跡の中でもトップクラスの謎に満ちた巨岩で、明日香村のシンボルになっています。
さらに谷沿いに丘と丘の間を縫うように東へ歩きます。飛鳥村役場を通過して少し行くと 御破裂山(ごはれつざん)の麓に石舞台古墳がある丘が見えてきます。大和政権の豪族蘇我馬子の墓と伝えれられていますが、実は謎の多い巨石古墳です。
石舞台古墳を後にまた来た道を下り、明日香村観光会館から北へ伸びるルートをたどります。少しすると皇極天皇が住んだとされる皇居跡・飛鳥板蓋宮跡があります。蘇我入鹿が策略に遭い暗殺された場所として有名です。
飛鳥板蓋宮跡を後にさらに北へ向かうと蘇我氏の氏寺として知られる飛鳥寺が見えてきます。この辺りは飛鳥川をはさんで右岸と左岸で曽我氏と物部氏が争っていたエリアで、石川の宅の仏殿や宅の東の仏殿、大野丘の北の塔などといった歴史上の貴重な遺跡が多数残されています。
最後に蘇我蝦夷と入鹿親子の邸宅跡とされる甘樫丘があります。丘の頂上からは飛鳥の全貌が見渡せます。かつて藤原京があったエリアの全貌も見渡せます。甘樫丘を下り趣のある橿原の街並みを眺めながら近鉄橿原神宮前駅へ向かいます。
桜井駅から談山神社(たんざんじんじゃ)を経て御破裂山山頂まで
JR・近鉄桜井駅→(30分)→一の鳥居→(50分)→多武峰→(30分)→談山神社→(30分)→御破裂山山頂
JR・近鉄桜井駅から左手に鳥見山を見ながら県道37号線沿いをひたすら南へ向かいます。一の鳥居から多武峰にかけては、なだらかだった県道沿いのコースも少し傾斜がかかってきます。多武峰から談山神社へは遊歩道が整備されていますがかなりきつい登山コースです。この多武峰の周辺は藤原氏の祖である中臣鎌足と中大兄皇子が大化の改新の談合を行った場所といわれており、談合のあった場所ということで談い山(かたらいやま)と呼ばれ、談い山が談山神社の由来になっています。
多武峰から登ること30分ほどで談山神社に到着します。御破裂山へは談山神社から参道が整備されています。御破裂山の山頂は中臣鎌足の墓所となっており、入山拝観料500円が必要です。御破裂山607mの山頂からは桜井市内や奈良盆地が一望でき、金剛山から葛城山に連なる金剛山地やさらにその北に延びる生駒山地の山並みが見渡せます。御破裂山は国家に災難や異変があったら決まって山が振動して鳴り響くという言い伝えがあります。一帯は紅葉の名所としても知られており、紅葉の季節になるとたくさんの紅葉狩り客でにぎわいます。
一度は歩いてみたい山の辺の道
天理駅→(75分)→夜都伎神社→(45分)→崇神天皇陵→(60分)→玄實庵→(30分)→JR三輪駅
邪馬台国があったとされるロマンあふれるハイキングコースです。周辺は大小合わせて数百以上もの古墳が散在するエリアとして知られています。その中には卑弥呼の墓ではないといわれている箸墓古墳などもあります。また普通の民家の庭や果樹園になっている古墳などもあり、日常生活の中に古墳が当たり前のように存在しています。山の辺の道は南北に走るJR桜井線に併行しており、桜井線の天理駅から東の山麓へ1kmほど入った場所から南に全長12kmにわたって伸びています。ハイキングコースの最終地点はJR三輪駅になります。途中トイレがあるのは、夜都伎神社の少し手前、崇神天皇陵の周辺、玄實庵の手前、そして三輪山麓の大神神社にあります。ハイキングコースを全コース歩き通す場合、または途中までの場合でも、JR桜井線が併行して走っているので、西方向へ1kmほど歩いたら最寄り駅(長柄駅、柳本、巻向駅など)があります。
本格的な登山気分が味わえる金剛山へ挑戦
高天彦神社→郵便道(ゆうびんどう)(60分)→金剛山山頂
金剛山は大阪と奈良と和歌山が県境を接しています。一番高い山頂は1,112mですが、奈良県側の金剛山は葛木神社のご神体になっていて山頂への立ち入りができないため(禁足地)、大阪側にある最高地点 (1,053m) が金剛山の山頂とされています。ご神体として山頂に立ち入れない山は他にも三輪山などがありますが、極めて稀なケースです。奈良県側は登山口から山頂まで2kmほどしかなく、急峻な地形となっています。大阪側の山腹は登山口から山頂まで直線距離で10kmあり、千早赤坂村を抱える雄大な懐の深い全容が望めます。
山頂付近は、雄略天皇にゆかりが深い神話が残るエリアで、一言主大神を祀る金剛山葛木神社や一言主大神と雄略天皇の出会いの地とされる御猪狩遺跡などがあります。山頂付近でダイヤモンドトレール(通称ダイトレ)と合流しているので、ダイヤモンドトレールを縦走するコースと組み合わせた登山も楽しめます。また千早村から金剛山ロープウェイがあるので、登山プランと組み合わせることも可能です。関西の山としては、本格的な登山気分が味わえるので人気があります。