京都 北山 登山&ハイキングガイド
京都北山に点在する峰々は、ハイキングや登山を楽しむにはちょうど良いコースがたくさんあります。北山一帯は芦生原生林にあたり、人の手が加えられていない太古の原生林がそのまま現代に残されていて魅力的です!
山中には京都の避暑地として有名な貴船や美山地区があり、修験者の宿坊や峠を行き交う旅人が利用するお茶屋などが多く点在。これらの宿坊やお茶屋から派生した食のスタイルは京都の食文化、ひいては和食に大きな影響を与えています。
また、探検家の今西錦司氏や第一次南極越冬隊副隊長の西堀栄三郎氏などとゆかりが深く、山中のいたるところにその足跡が残されています。
自然だけでなく文化や歴史も調べながら歩くと、きっと楽しい北山歩きができることでしょう。
京都北山
京都の山といえば!比叡山 848m
修学院離宮〜雲母坂〜ケーブル比叡駅〜比叡山山頂
比叡山へ徒歩で登るもっともメジャーな登山ルートが雲母坂コースです。古くは京都と延暦寺を結ぶ街道として使われ、勅使坂と呼ばれていました。修学院離宮の袂を流れる音羽川沿いに少し登った場所に雲母坂があります。この周辺は夏場は涼しいことから子供たちの遊び場として人気があります。雲母坂の登山口からはかなり急勾配の登山道が続きます。少し登ると眼下に京都市街地の風景が足元に広がってきて、一歩ずつ踏みしめて進むごとに比叡山に登っているという実感がわいてきます。途中、瓜生山方面へ向かう京都周遊トレイルコースの分岐点があります。山頂までの所要時間は3時間ほどです。山頂に着いて下山する時間がないようでしたらケーブルでも下山できます。
比叡山の登山ルートマップ
比叡山に次ぐ京都の名山|愛宕山 924m
清滝バス停〜登山口〜月輪寺〜愛宕山〜大杉社〜登山口
愛宕山は比叡山に並び京都のランドマーク的な存在です。東に山脈を連ねて高くそびえる比叡山に対して、愛宕山は嵐山の背後に雄大な山懐を持つ力強い姿をしています。古くから火の用心の神様として信仰され、山頂には愛宕神社が祀られています。明智光秀が愛宕神社を参詣した後「敵は本能寺にあり!」と叫んできびすを返した「明智越え」でも有名。昭和の初期には愛宕山遊園地があり、京都市街を見渡せるホテルなども併設されて栄えましたが、現在では往時の繁栄をしのばせるものは残っていません。山頂までの所要時間は2時間ほどです。
愛宕山ルートマップ
京都北山の本格登山|魚谷山 816m
貴船神社〜滝谷峠〜今西錦司のレリーフ〜柳谷峠〜魚谷山山頂〜小梅谷林道
魚谷山は登山家や探検家、研究者として著名な今西錦司氏にゆかりの深い山です。また第一次南極越冬隊副隊長の西堀栄三郎氏が山小屋を建設した「北山の小舎」跡などもあります。この「北山の小舎」を利用した旧制京都一中山岳部や京都大学山岳部からは、多くの登山家や探検家を輩出しています。また京都大学登山部が日頃の訓練コースとしてよく利用する登山ルートでもあります。険しいルートではありませんが、足場が悪く地理的にも迷いやすいので登山マップを用意するなどの準備が必要です。なだらかなルートですが比較的難易度の高い上級者向けです。
魚谷山の登山ルートマップ
京都百名山のひとつ|浅敷ヶ岳 895.9m
西谷〜標高640mの尾根〜岩茸山811m〜反射板峰〜桟敷ヶ岳895.9m
京都市北区の最高峰で京都百名山に数えられる桟敷ヶ岳、山麓からは鴨川の源流である祖父谷川が湧き出しています。平安時代の貴族・惟喬親王にゆかりの深い山として有名です。皇位継承戦に破れた惟喬親王が桟敷ヶ岳の山頂に桟敷を設けて京都の街を眺めたという逸話が残されています。またこの逸話のためかお月見の名所とされた時代もありました。秋の季節には山頂付近でシャクナゲの花を見ることが出来ます。また峠付近には見事な枝ぶりの杉の老木があり、登山者の目を楽しませてくれます。山頂までの所要時間は3時間ほどです。
浅敷ヶ岳の登山ルートマップ
京都北山の最奥地|品谷山 881m
出町柳駅 (京都バス) 佐々里峠〜ピーク866〜品谷山〜品谷峠〜スモモ谷〜廃村八丁〜四朗五郎峠〜ダンノ峠〜菅原(京都バス) 出町柳駅 (コースの所要時間は6時間ほど)
品谷山は、京都北山エリアの最奥地にある山です。周辺には民家や集落はなく、広大な原生林が広がっています。また市街地が見えないため、方向感覚がくるいやすく、登山者が迷って遭難する事故が多発しています。品谷山から下山して廃村八丁までのルートが一番迷いやすいので注意が必要です。広大な原生林をめぐって境界争いが600年余り続いたことから、この辺り一帯は明治時代まで「御留山」に指定されていました。明治時代以降は、立ち入り禁止令が解除され廃村八丁には集落がありましたが、昭和初期には住む人がいなくなり廃村となっています。
品谷山の登山ルートマップ
京都 芦生の原生林の森|雲取山 911m
登山口(バス停:花背高原前)〜寺山峠〜一の谷出合〜雲取峠〜雲取山頂〜立命館ワンゲル小屋〜二の谷出合〜寺山峠〜登山口(バス停:花背高原前)
雲取山は京都北山エリアのほぼ中央部にある標高911mの山です。一帯は芦生原生林におおわれており、原生林ならではの草花を見ることができます。秋にはキタヤマブシ(京都北山が名前の由来)というトリカブト属の紫色をした美しい花を見かけることできます。ただし根の部分は猛毒なので採取などはしないようにしましょう。ルートは谷沿いが多く、土砂崩れになっている箇所もあるので足元には注意が必要です。約6時間の所要時間です。
雲取山の登山ルートマップ
京都府最高峰の山|皆子山 971.5m
国道367号から登山口〜林道終点〜ツボクリ谷〜皆子山 山頂〜寺谷出合(林道30分歩いて国道367号へ) (約5時間の所要時間)
皆子山は鯖街道と呼ばれる深い谷(花折断層)をはさんで比良山地と対峙している標高 971.5mの京都府最高峰の山です。皆子山の南側には山麓を縫うように葛川とその上流の百井川が流れています。百井川に沿って、車の通行が禁止されている林道があり、途中までの登山ルートはこの林道をたどります。百井川は関西では珍しいイワナが生息する清流として知られ、フライフィッシングを楽しむ釣り人を時折見かけます。百井川へ合流する沢沿いに登山ルートがあります。沢は何本もあってルートも複数あるため、迷わないように注意してください。沢登りの要素もあるので上級者向けの山といわれています。