関西アルプス|比良山系登山ガイド
古くから若狭より京都へ鯖を運んでいた鯖街道は、安曇川(花折断層)に沿ってのびています。
比良山系は琵琶湖と安曇川に挟まれた東西5km、長さ約40kmのエリアにそびえています。
晩秋になると頂上に真っ先に雪をいただき、関西に冬の到来を教えてくれる比良山系、関西のアルプス呼ばれるのはそのためかもしれません。
難易度は健脚向けコースが多いですが、ロープウェイとリフトを乗り継いで山頂まで到達できる蓬莱山などもあり、登山家から小さい子供連れの家族まで、幅広い層に人気があります。
蛇谷ヶ峰
武奈ヶ岳
堂満岳
蓬莱山
高島トレイル
関西のアルプス比良山系へ
蛇谷ヶ峰 901.7m|比良山系北端のピーク 中級コース
朽木(グリーンパーク想い出の森)-蛇谷ヶ峰
蛇谷ヶ峰の山頂までは、朽木(グリーンパーク想い出の森)の登山口から約3時間ほどの所要時間です。沢登りのルートなどいくつかの登山コースがありますが、この尾根伝いのルートが土砂崩れもないので安心です。琵琶湖の湖畔に屏風のようにそびえる比良山系の北の端に位置しており、山頂からは琵琶湖が一望でき、天気の良い日には日本海も望めるロケーションです。また西側の足元には深く地形を掘り下げるように安曇川がまっすぐ流れています。
武奈ヶ岳 1214.4m|比良山系最高峰に登る 中級コース
葛川坊村-明王院 -御殿山-ワサビ峠-武奈ヶ岳
武奈ヶ岳は、比良山系で一番高い山です。安曇川沿いにある登山口の葛川坊村の明王院から標高800m地点までは勾配のきつい登山道ですが、800mの地点からは西南稜の見晴らしの良い尾根道が2kmほど続きます。武奈ヶ岳の山頂付近には木がなく、原っぱが広がっています。風景を遮るものがないので360度のパノラマが楽しめます。東の琵琶湖の先には伊吹山が、また京都周辺の山々も見渡すことができます。以前は比良ロープウェイがあり、子供連れの家族でにぎわいました。現在はロケーションの良さから登山客に人気のある山です。
葛川坊村からのルート以外に、琵琶湖湖畔の高島市(ガリバー旅行村) → 八淵の滝を経由するルートもおすすめです。
堂満岳 1057m|琵琶湖にそそり立つ急峻な山 中級コース
JR比良駅-イン谷口山荘跡-登山口-ノタノホリ池-堂満岳
堂満岳は比良山系の稜線が琵琶湖の湖畔までせり出して、滋賀県側から見ると琵琶湖の湖畔に迫るようにそそり立っているため、比良山系のなかでは一番目立つ山です。琵琶湖畔にせまる山の斜面は急勾配で、北壁、南壁と呼ばれています。また古くは万葉集にも詠まれた「暮雪山」という別名もあります。堂満岳山頂にはシャクナゲの群生地があり、秋口には美しいシャクナゲの花が満開になります。また登山ルートの途中には、絶滅危惧種に指定されている「モリアオガエル」が生息しているノタノホリ池があります。
蓬莱山 1173.94m|琵琶湖の大パノラマ!ファミリー向け
@湖西線蓬莱駅-薬師滝-小女郎峠-蓬莱山
A湖西線志賀駅-びわ湖バレイ口-金比羅峠-蓬莱山
日本三百名山の一つに数えられる蓬莱山、琵琶湖側から見て最も量感のある山塊です。蓬莱山を中心にして打見山、比良岳が連なっています。蓬莱山の山頂は芝生で覆われており、琵琶湖の全景が見渡せるパノラマが楽しめます。秋から冬にかけて、日本海からの寒風に直接あたるため、京都市街地や琵琶湖畔の市街地から見える山頂に、真っ先に雪を頂いて冬の到来を知らせてくれます。また蓬莱山の山頂付近には「びわ湖バレイスキー場」があり、冬場は関西で最も賑わうウィンタースポーツのゲレンデになります。山頂までロープウェイとリフトがあるので、下山する時間がない場合はリフトとロープウェイを乗り継いで下山できます。また夏場は小さいお子さんでもリフトであがれるため、ハイキングを楽しむ家族連れにとても人気です。
高島トレイル|上級コース
愛発越 → 乗鞍岳 → 赤坂山 → 粟柄越 → 近江坂 → 三重嶽 → 湖北武 → 奈ヶ嶽 → 水坂峠 → 二の谷山 → 行者山 → 朽木駒ヶ岳 → 与助谷山 → 百里ヶ岳 → シチクレ峠 → 根来坂 → ナベクボ峠 → 三国峠 → 地蔵峠 → 三国岳 → 桑原
高島トレイルの正式名称は中央分水嶺高島トレイルといい、日本列島の日本海側と太平洋側をまたいだ分水嶺を踏破する全長80kmに及ぶトレイルコースです。滋賀県マキノ市の愛発越(あらちごえ)から今津の山系を経て、朽木の三国岳へ至ります。日本海(若狭湾)と琵琶湖が尾根越しに見え隠れするロケーションのため、いかにも分水嶺のトレイルコースを歩いているという実感がします。また現在は使われなくなっている江戸時代の主要街道だったコースもあり、往時の若狭越の峠道をしのぶことができます。太平洋側と日本海側の気候がぶつかったエリアには、さまざまな植物が混在しており、最高のネイチャートレイルが堪能できます。
国土地理院地形図