金剛山・生駒山・和泉山脈|登山ルートガイド
関西・近畿周辺の登山・ハイキングエリア、金剛生駒紀泉国定公園を紹介します
生駒山
信貴山
金剛山
大和葛城山
岩湧山
和泉葛城山
生駒山地
大阪平野と奈良平野の間に細長く南北に走る山脈が生駒山地です。
大阪平野はもちろん、奈良平野のどこからも見られることから、東西南北の指標となるランドマークとなっています。
ランドマークということは逆に、生駒山地の山頂からは大阪の中心部や、奈良平野にある若草山、大仏殿なども見ることができます。あの辺りが平城京があった場所、あそこが明日香村の石舞台群、法隆寺のある斑鳩はあの辺り、現代からロマン漂う天平時代まで、時空を俯瞰して楽しめるのが生駒山地の大きな特徴です。
生駒山 642m|はじめての登山に! 初級コース
近鉄枚岡駅 - 枚岡神社 - 登山口 - グリーンガーデン枚岡 - 額田展望台 - タタラ山 - 生駒山山頂
登山コースとしては、枚岡からタタラ山経由のコースが最適です。
近鉄枚岡駅から枚岡神社の鳥居を潜ったところに生駒山の登山口があります。グリーンガーデン枚岡から額田展望台を経てタタラ山までの区間が一番きつい急勾配の登山ポイントです。タタラ山からは、なだらかな尾根伝いの登山道が続きます。2kmほど歩くと生駒山の山頂があります。山頂からは奈良県側の生駒駅へおりるルートがあります。時間がなかったら生駒ケーブルがあるので、それを使って下山できます。生駒駅には近鉄生駒線が走っています。
信貴山 437m|おすすめは尾根歩き 初級コース
近鉄恩智駅 - のどか村 - 信貴山朝護孫子寺 - 信貴山山頂
信貴山に直接登る場合は近鉄恩智駅から「のどか村」を経るコースが一般的です。
近鉄恩智駅から山頂まで約2時間の所要時間です。
山頂からは旧ケーブルの軌道跡を通って奈良県側のJR王寺駅に出るルートもあります。
しかしなんといってもオススメは、生駒山から尾根沿いに信貴山へ歩くルートです。全長10kmほどのコース中には、大阪平野はもちろん、奈良平野の隅々まで見渡せる絶景パノラマが満喫できます。
金剛山地
生駒山地は、奈良平野から大阪湾に向かって流れる大和川によって一旦区切られており、大和川から南に延びるのを金剛山地と呼びます。
金剛山地は二上山から葛城山(959.2m)を経て主峰の金剛山(1,125m)に至る連山です。金剛山の南には中央構造線断層帯が東西に走っており、山脈は断層帯から折れ曲がるように南北方向から東西方向に舵をきり、和泉山脈につながります。
金剛山 1.125m|人気の千早本道 初級コース
金剛登山口バス停 - 千早城跡 - 金剛山山頂
金剛山は古くから信仰の対象となってきた山です。奈良県御所市の葛木神社の裏山にあたり、山頂の葛木岳はご神体として立ち入りが禁止されています。
もっとも利用者が多いルートは千早本道と呼ばれるコースです。千早簡易郵便局から登山口、千早城跡を経て、整備された広い登山道を登ります。急な坂道には丸太の階段が整備されています。所要時間は約1時間半ほどです。
高天彦神社から金剛山|本格登山気分が味わえる 初級コース
高天彦神社-郵便道(ゆうびんどう)(60分)-金剛山山頂
金剛山は大阪と奈良と和歌山が県境を接しています。一番高い山頂は1,112mですが、奈良県側の金剛山は葛木神社のご神体になっていて山頂への立ち入りができないため(禁足地)、大阪側にある最高地点 (1,053m) が金剛山の山頂とされています。ご神体として山頂に立ち入れない山は他にも三輪山などがありますが、極めて稀なケースです。奈良県側は登山口から山頂まで2kmほどしかなく、急峻な地形となっています。大阪側の山腹は登山口から山頂まで直線距離で10kmあり、千早赤坂村を抱える雄大な懐の深い全容が望めます。
山頂付近は、雄略天皇にゆかりが深い神話が残るエリアで、一言主大神を祀る金剛山葛木神社や一言主大神と雄略天皇の出会いの地とされる御猪狩遺跡などがあります。山頂付近でダイヤモンドトレール(通称ダイトレ)と合流しているので、ダイヤモンドトレールを縦走するコースと組み合わせた登山も楽しめます。また千早村から金剛山ロープウェイがあるので、登山プランと組み合わせることも可能です。関西の山としては、本格的な登山気分が味わえるので人気があります。
大和葛城山 959.2m|修験道の山 中級コース
大和葛城山口バス停 - 天狗谷 -大和葛城山山頂
大和葛城山へのコースは、大阪府南河内郡千早赤阪村から登るルートが一般的です。また奈良県側からは櫛羅(くじら)の滝コースも人気があります。櫛羅の滝や行者の滝は、修験道の滝行で有名な滝です。北にある二上山から尾根伝い縦走路があり、大和葛城山から金剛山にかけての縦走路もダイヤモンドトレールとして整備されています。
ダイヤモンドトレイル
屯鶴峯 - 二上山 - 岩橋山 - 大和葛城山 - 金剛山 - 岩湧山 - 槇尾山
通称ダイトレとも呼ばれるダイヤモンドトレイルは大阪独自の縦走コースです。屯鶴峯からスタートして、二上山 - 岩橋山 - 大和葛城山 - 金剛山 - 岩湧山 - 槇尾山を結ぶ約50qのコースです。このダイヤモンドトレールは、大阪府によって整備されているため、道幅が広くて歩きやすいところが大きな特徴です。50kmの全コースをわずか1日で走り抜けるツワモノもいるそうです。一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
和泉山脈
金剛山の南から折れ曲がるように東西方向に延びる山脈が和泉山脈です。和泉山脈は金剛山の南から大阪府と和歌山県の県境に沿って西の和泉葛城山へ向かい、和歌山市加太・岬町まで東西に走る山脈です。金剛山の南から急に折れ曲がる理由は、中央構造線断層帯にあります。この活断層は三重県の鳥羽市から紀伊半島を横断して、淡路島の南岸と徳島県の平野部を東西に駆け抜け、石鎚山脈の北を走って、佐田岬半島まで達しています。
岩湧山 897.7m|広がるススキ原 中級コース
滝畑ダム岩湧山登山口 - カキザコ - 岩湧山山頂
滝畑ダムの登山口から登るルートが人気です。滝畑ダムのバス停から見晴らしの良い尾根を伝って登るコースは、登りはじめて25分ほどは急傾斜の登山道ですが、カキザコと呼ばれるピークからはゆるやかな尾根伝いの道にかわります。1時間20分ほど歩くと岩湧山の山頂に到達します。カキザコから山頂までは、一面のススキ原が広がっていて、山頂からは大阪平野や大阪湾、天気の良い日は瀬戸内の島々が見渡せます。年に一度、消防団立ちあいのもと、茅場の山焼きが行われます。
和泉葛城山 858m|ブナ林を満喫 上級コース
塔原(とのはら)バス停 - ブナ林 - 和泉葛城山山頂
和泉葛城山は古くから人々の信仰を集めてきた山です。山頂には、高?大神(たかおがみ)と闇?大神(くらおかみ)の二つの神社が祀られています。この神社の歴史は古く雄略天皇(477年)の時代にまで遡るといわれています。北国無双の暴れ河・九頭龍川を鎮め、国家鎮護を祈願しています。
和泉葛城山の山頂からは大阪平野や関西国際空港の絶景パノラマが満喫できます。また南側には紀ノ川沿いに広がる紀ノ川市の市街地や和歌山市が見渡せます。
登山ルートは、弥勒寺のある大阪府貝塚市の塔原(とのはら)バス停から登るコースが一般的です。天然記念物に指定されているブナ林を通り抜ける登山道です。尾根伝いに登る山頂までの所要時間は約1時間半です。