間違いだらけの登山の服装|初心者が知っておく7つのポイント
アウトドアウエアはたいていの人は持っているかもしれません。
でも、登山の服装というのは、アウトドアウェアを着ればOKというものでもありませんので、気をつけなければいけないことを紹介します。
3分で分かる登山の服装
登山の服装で大事なことは、熱や汗といった体内からの放出と、雨や風・冷気といった外の環境からの防御です。
これを可能にするための重ね着が大事なのです。
ですので、アンダーウェアは速乾で、夏物は涼しく、冬物はあたたかく、が基本
中間着は、汗を素早く外に通過させると同時に、保温性があるもの。
一番外に着るアウターは、風をさえぎるもので、防水性や撥水性があるもの。
この3つの組み合わせを基本にするのです。
ゴアテックスのジャケットを着ても、肌着は綿シャツでは意味がない、ということですね。
登山のレイヤリング(重ね着)の基本原則
山の肌着の素材とデザイン
肌着はできるだけ肌に密着したデザインが理想です。
なぜならば、皮膚からでた汗を素早く吸い取って外に逃がさなければならないからです。
素材は、ポリエステル系の化繊が主流です。速乾性と保温性が高く、洗濯も気にせずに洗えます。
天然素材ではメリノウールが主流です。主に冬場に活躍します。保温性がかなり高いのと、肌触りがよいです。速乾性がやや落ちます。
中間着と防寒着の素材とデザイン
中間着には、やはりポリエステル系のフリースや化繊のシャツがメインとなります。フリースといっても分厚いものではなく、薄くて風通しの良い物が使いやすいです。最近では、薄い素材と厚めの素材を組み合わせたハイブリッド構造のウェアが多くなってきました。
インナーダウンと呼ばれるような、中間着としてのダウンジャケットは防寒具としては最適です。少なめのダウンに極めて薄いナイロンを採用した軽量なジャケットで、持ち運びに便利です。300gを下回るものも出ています。ダウン以外に、インサレーションシェルとして、化繊の中綿を使ったジャケットなどもあります。特徴としては、ダウンよりも濡れに強く、取り扱いが楽などのメリットもあります。
アウターのソフトシェルとハードシェル
夏山では、基本的に防水(ハードシェル)レインウェアがアウターの役目を果たしますが、それに付随して、ウインドフレーカーなどのソフトシェルも季節によっては使えます。ソフトシェルは撥水性と防風性をそなえたジャケットなどで、タイプも厚みを様々ですが、ゴアテックスなどの防水素材がなく、レインウェアよりもソフトで通気性がよく着心地が快適です。
山の服装では重ね着を考える
山の服装を考えるときは、このレイヤリング(重ね着)を要素としてお手持ちのウェアを考えてみましょう。
すべて一度にそろえられないかもしれませんが、雨具と肌着だけは、登山用、あるいは相応のスポーツウェアにしておくことをオススメします。
くれぐれも綿製品は避けたほうがいいでしょう。濡れると乾かないし体温をコントロールできません。
登山のパンツ・ズボンとタイツ
ズボンはなるべく足が上げやすいもので、夏は涼しい素材、春秋などは防風性も備わったソフトシェルのズボンをおすすめします。当然ジーパンや綿パンなどはNGですが、ピチピチすぎるフィットのパンツなども疲れやすいものです。
最近は、サポートタイツやスパッツといったアンダーウェア系のタイツを履く人も多く、夏の暑いときは、短パン・スカートにタイツ姿というのもよく見かけます。
サポートタイツというのは、タイツにゴムのラインが入っていて、筋肉をサポートして疲れにくくします。あるいは、着圧タイツのような血流を良くする効果のタイツなどもあり、タイツも歩きに欠かせないアイテムのひとつになりつつあります。
詳しくは登山用パンツのページも参考にしてください。
帽子や手袋、そして靴下
帽子は、日差しをさえぎる夏用のものと、耳まで覆える保温を目的とした冬用と二つを考慮します。たとえ夏でも、森林限界を超える山では、風雨に対する保温性を考える必要があります。
グローブの目的は、手の保護と保温性、防水などです。用途によって様々ですが、まずはじめは、濡れても保温性がある素材のグローブが良いでしょう。
靴下は、登山靴を決めるときに一緒にそろえます。靴下の厚みの違いで、登山靴の履き心地も微妙に変わってきます。
夏は薄手、春秋は中厚手、冬は厚手とタイプがあります。左右対称のデザインやサポートゴムのついたものなどがあります。素材はやはり速乾性のある化繊か、ウール混紡のものがよいです。
ハイソックスなどは不要で、2枚重ねて履くことも必要ないでしょう。