本気で雪山|ピッケルとアイゼン・違いと選び方

本気で雪山|ピッケルとアイゼン・違いと選び方

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雪山を始めるなら当然必須アイテムとなるアイゼンとピッケル。どういう基準で購入すればよいのでしょうか?


アイゼンの選び方

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雪山初心者という言い方をしますが、個人により認識が違うと思います。
東京でいえば奥多摩程度、北八ヶ岳のハイキング程度を歩くことを言うのでしょうか?
それとも、とにかく八ヶ岳などに出向いて果ては厳しいバリエーションを目指すための第一歩の初心者なのでしょうか?
それによっても違いますが、ここでは今後、雪山厳冬の雪山から春のアルプスまで楽しむための一般的なところでのアイゼン選びを紹介します。

 

アイゼンと軽アイゼン

アイゼンといったら、軽アイゼン(簡易式アイゼン)も含むこともできますが、基本的に10本以上の爪があるものをアイゼン、8本爪以下のものを軽アイゼンと呼びます。
違いは前爪の有無にあるといってもよいでしょう。
ちなみに、軽アイゼンを選ぶなら長さのある6本爪以上です。4本爪は土踏まず付近しか爪が無いモデルが多く、歩きなれていないと滑りやすいです。

 

10本爪と12本爪アイゼン

爪の数は12本以上のものが理想です。
10本のほうが軽くてよさそうですが、やはり安定感で12本以上が理想です。というか、そこそこの雪山になってくると、10本ではお話になりません。
3シーズン用登山靴など溝が無い靴を使う場合は、10本爪がつけやすい場合がありますが、基本的には柔らかい3シーズンシューズには使いません。

 

アイゼンの素材は何がいい?

アイゼンはクロモリ鋼という固い金属を使っているものが多いです。定番のアイゼンの多くはクロモリです。そのほかには軽量なアルミのアイゼンもあります。あるいはブラックダイヤモンドのセラックというモデルのようなステンレスのアイゼンもあります。近年はチタンを採用した高級アイゼンも存在します。基本はクロモリですね

 

縦走用とアイスクライミング用アイゼンの違い

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アイゼンの前爪を見ると、爪が横(平行)についているものと、縦(垂直)についているものとがあります。
垂直についているものは、氷に食い込みやすい構造で、アイスクライミング用です。これはピッケルのピックと同じですね。
爪が横向きについているものが、雪山縦走など一般的な雪山登山用です。
そして、アルパイン用(ルート中に氷や岩場が出てくる)として、縦走とクライミングと併用できるアイゼンもあります。
いずれアイスクライミングもやってみたい場合は一考です。

 

ワンタッチアイゼンとセミワンタッチアイゼン

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いまやベルト巻きする1本締めアイゼンはほとんど見かけなくなりました。
基本的にはかかとの溝を抑えるワンタッチ式ですが、フロント(前)の溝に金具(ビンディング)をかけるワンタッチアイゼン
前はカップで抑え、後ろの溝だけ使うセミワンタッチアイゼンが主流です。
おすすめはセミワンタッチです。
セミワンタッチであればシューズを選ばずにつけられます。

 

アンチスノープレート

アイゼンにはスノープレートがついているものがほとんどです。これがないと、アイゼンに雪がまとわりついてきて、気温が高いときは歩けたものではありません。素材はプラスチック製とゴム素材がありますが、ゴム素材のほうが割れにくく優秀です。

 

アイゼンは登山靴に合わせる|シューズとアイゼンの相性

アイゼンを選ぶ際に必ず登山靴との相性をチェックしてください。定番の靴と定番のアイゼンなら、ブログやSNSで使っている人の感想を見るのもありですが、不明であれば、自分の登山靴をショップに直接持って行ってアイゼンをつけてもらいましょう。
とくに女性の場合は、靴の大きさとアイゼンの大きさが合わないこともあります。

 

初めての雪山でおすすめの縦走用アイゼン

一般的に使いやすいアイゼンを紹介します。

 

 

 

 


ピッケルの選び方

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ピッケルについてもアイゼン同様のスタンスで選びます。ポイントは長すぎないこと!

縦走用とアイスクライミング用

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ピッケルには大きく分けて、縦走に適したタイプとアイスクライイング用があります。
縦走用はシャフトがまっすぐなストレート。アイスクライミング用は極端にカーブ(ベント)しています。
縦走用とアイス用の中間のものもあります。
初心者は基本的には縦走用ピッケルですね。

 

ピッケルの部位と形

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縦走用ピッケルといっても、氷に十分対応できものと、そうでない簡素なものがあります。
ピックや石突は食い込む形状か、ブレードの幅は十分か、など。
そんな氷のある急斜面を登らないにしても、雪山では何があるかわかりませんので、使いやすいデザインのものが理想です。
それから、ピッケルを振るときに使いやすいように、少しだけカーブがついているベントタイプのピッケルもあります。
こちらも使いやすくてよいのです。

 

ピッケルの長さと重さ

最近は軽量化されたピッケルが増えてきました。しかし、300g以下のスカスカのピッケルは使いにくいです。カーボン製などのピッケルも出ていますが、ある程度振りやすさのある重さがあったほうがいいでしょう。
長さは身長によります。
よく言われるのは、シューズを履いて立った状態で、ピッケルのピック側を手に持ち、石突が地面にすれすれ当たらないくらいの長さ
男性であればだいたい60cm-68cmくらいでしょうか
しかしこれも場合によります。
雪深いエリアであれば、杖代わりになるという従来の考えですが、今の時代はストックがあります。
つまり、ピッケルの出番がくるのは、急傾斜の場所です。
傾斜がきつければ、長いピッケルは使いにくいのです。
なので、上記の定説のもう10cm〜5cmくらい短いピッケルが良いと思います。
短すぎても大変ですが、より危険なところで最大の効果が狙える長さが理想ではないでしょうか。
上記の60-68cmなら50cm-60cmとなります。

 

ピッケルのリーシュコード

リーシュというのは、ピッケルにつける流れ止めバンドのことです。
標準装備されているものの大半は手首に回すタイプです。こちらは、ピックを使って振るときなどに使いやすいのですが、初心者であれば、肩からたすき掛けしてピッケルとボディをつなぐリーシュのほうが良いでしょう。
雪山でのリーシュの意味は、ピッケルを落とさないことに加え、休憩中などにシャフトを雪に埋め込んでアンカーを取り、自分の身を守るためでもあります。リーシュで体とピッケルをつないでおけば、滑落の危険に対応できるのです。

初めての雪山でおすすめのピッケル

長さはそれぞれパターンがありますのでご注意ください

 

 

 

 

 


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